iPadとタブレット市場に関するメモ。iPadは売れるの?どうなの?

iPadタブレット市場が今後どうなるか書きなぐってみた。iPadと競合各社、競合製品との関係性に重点を置いてますが、あまりまとまってません。大好きなご飯は何度食べても美味しいです。

まずはまわりの反応は・・・

薄い(笑)。薄すぎる。タブレット市場なんてホントに一部のガジェット好きが騒いでいるだけなんだなということを昨日今日で実感しまくりだ。想定はしていた。しかし想定のダウンサイドぎりぎりいっぱいかちょっとはみ出しちゃうくらいの反応の薄さである。もちろん薄い反応を返したのは、日本製携帯を使っていたり、ガジェットに興味があるわけでもない層だ。昨日も書いたが携帯のように確立されたカテゴリーではなく新しいカテゴリの商品という点で、販売にはiPhoneと段違いの難しさがあると感じた。

AndroidとChromeOS

タブレットと携帯というモバイル界の大本命。その座は以前として揺ぎ無い・・・という期待値は、果たして実体を伴うものとなるのか、それとも単なるバブルなのかどちらだろう?複数のメーカーから複数の多様なデバイスが発売されれば、Apple1社の1種類の端末(iPhoneiPad)では到底太刀打ちできないのでは?というのは妥当な予想だ。みんな「多様性」が大好きだ。MacWindowsに負けた理由もまさにここにある。ここに来て、Droid、Xpreria、NexusOneなどが相次いで発表され、さっそくその強みを発揮しつつある。

残る課題は「ユーザ体験」だけ。ここでAppleに追いつくのには時間がかかると思われる。が、評判のよいDroidもXperiaも試してないので私も正直わからん。半年なのか1年なのか3年なのか。Appleは追いかけられている間にどれだけシェアで差をつけるか?3年かかってしまったらAppleの勝ち、それ以内ならGoogleの勝ち。そんなところか?初代iPhoneの発表から3年が経過したが、特にここ半年でじわりと来てるんじゃないか?でも3年はないかなー。ここは判断保留です。

しかしタブレットについては昨日も書いたように、その利用シーンの訴求、つまり市場形成にAppleもそれなりの時間がかかると思う。Appleはここが最大の正念場。1000万台売れましたとか5000万台売れましたで成り立つ市場ではとうていなく。数億の単位で普及して、さあその中で過半以上のシェアをとりましょうというスケールの話だ。デベロッパの立場でいうと、台数ベースで1億の市場があって、1000人に一人が100円で買ってくれるスマッシュヒットアプリをリリース出来て、売上がようやく700万円也という世界はどうなのか?という話だ。プロデューサーとプログラマーとデザイナーの3人で3ヶ月から4ヶ月弱といったところだろうか?(つくづくマルチプレーヤーとスモールプレーヤーが有利な市場だと思う)

もっともこれは市場規模の話なのでAppleだけの話ではない。どこがやっても同じ課題をクリアする必要があるし、むしろAppleはこの点では他社より3歩くらい先を進んでいる。とりあえずiPhoneアプリは、iPadでも動くのだ。これは強調してもしすぎることがないほど大きなアドバンテージだと思う。

Googleタブレットに関する限り、Appleに市場を作らせて、しかるのちシェアをとりにいってもよい。市場は誰が作ったって、その先行者メリットをくつがえす強みさえあるなら後発でも構わないからだ。AppleだってGoogleだって携帯電話市場では後発中の後発だ。意外とGoogle陣営には時間的猶予があるのかもしれない。それだけの資金にもGoogleは事欠かない。しいていうなら、今年中に必要なのはGoogleタブレットのプロトタイプを示しておくことくらいだろうか?製品が出るという噂もあるけど。

もっともAppleも、iPhoneでのデフォルト検索エンジンにBingを検討するなど(噂レベルだが)、Googleを切り崩しにかかっている。検索シェアはGoogleの唯一無二のコア・コンピタンスで、そこが揺らぐのはGoogleの死活問題。万全と思われているGoogleも、実は収益の柱は一本しかなく、そういう意味では、AppleMicrosoftよりもはるかに脆い。Windowsが明日から無くなって困るユーザや企業は世界にいくらでもいるが、Google検索エンジンがなくなっても実は大して困らないのだ。それを承知でとにかくあらゆる検索トラフィックGoogleに集めようというのがこの会社の戦略で、だからこそのChromeブラウザでありAndroidでありChromeOSなのだ。

Windows Mobile

ちょっと無視されてる感のあるWindows Mobile。私も情報不足でなんとも言いようがありません。ただしBingが思いのほか健闘しまくってて、さすがマイクロソフトだと思ったり、これはひょっとするひょっとするかもと思ったり。しかしデスクトップ版のWindowsはこれからも新興国の何十億という市場への普及が控えているので安泰といえば安泰。そこに寄りかかりすぎちゃって失敗してるのがWindows Mobile。よくも悪くもあと10年くらいは「余裕」だと思うのは私だけか。その後は知らないけど。

Kindle

iPadiBooksストアのおかげで今さんざんな言われようなのがKindle。私もハードウェアとしてのKindleには興味がない。でもKindleストアの本て、iPhoneiPad)のKindleアプリでも読めるんでしょ?いずれにしてもプラットフォームを競っているAppleGoogleMicrosoftという立場とKindleとはやはり立ち位置が違うと思う。KindleもいちおうSDKを用意してプラットフォーム戦争に参入しようとしているみたいだけど、プラットフォーム市場で勝負するだけのブランドをまず確立しなくてはならず、これはこの4社ではAmazonだけが持つ弱点だ。デベロッパにたいしてはクラウドサービスで確固たるブランドを持っているアマゾンも、消費者から見ればまだまだ「本屋さん」に過ぎない。プラットフォーム路線でいくなら、アマゾンには厳しい道程だ。
本屋さん路線でいくなら、KindleストアがiPadでもiPhoneでもその他のデバイスでも利用可能として、その成否はiBooksストアよりどれだけ安い価格で本を提供できるかにかかっている。
話がそれるが、本でもCDでもDVDでも、電子化可能な商材の流通業というのは、本当に本当に辛い時代で、どんなにオフラインで頑張っても生き残る手段はほぼなくどうやって安楽死させようかという時期に既になっている。

Flash

iPadの登場で、俄然「対応しろよ」熱が高まってきているFlash。トップページにFlashがあるサイトは多いが、それをiPadの9.7インチで見るといかにも「不完全感」がありありで見るに耐えない(らしい)。Appleはどこまで突っぱねるのでしょうか。あと見逃せないのが、プラットフォームという点ではKindleよりもはるかに有望なのがFlashだと思う。もしiPhoneiPadFlashに対応すれば、Adobeは全主要プラットフォーム上に、自社のプラットフォームを持つことになる。あと、CS5ではFlashでiPhoneアプリを作れるようになるとかならないとか

さてしつこいが最後にアップルのビデオ紹介。これ見ると欲しくなります。
http://www.apple.com/ipad/ipad-video/