HTML5だFlashだなんだと騒ぐ前にやっぱりプラットフォームごとのアプリなんじゃね?とまた思った。

Foursquareの利用率は(予想通り)iPhone経由が最多。続くのはAndroidBlackBerry
http://jp.techcrunch.com/archives/20100204foursquare-platform-breakdown/

ちなみにFoursquareのスタートは1年前のSXSWで、iPhon用のアプリケーションとモバイルウェブ版のみが用意されていた。その歴史あるモバイルウェブ版の利用率のところに「まだ使ってるの?」と書かれているのは興味深い。各プラットフォーム毎に用意しているアプリケーションに自信があることの現れだろう。Windows Mobile版も発表され、メジャープラットフォーム版はほぼ出揃った。あとはNokia版を待つばかりとなっている(現在開発中)。

以前もちらと書いたが、こういう記事を目にするにつけ、やっぱりプラットフォームごとに最適化されたアプリケーションは使い易いよなーと思ってしまう。TwitterクライアントアプリとかRSSリーダーとかYoutubeとかSmart.fmとかBB2Cとか枚挙にいとまがない。あと日本人にはあまり馴染みがないが、FacebookiPhoneアプリの使いやすさは尋常ではないらしいし。

将来普及していくと目されるHTML5でも、サクサク動いて尚且つこなれたUIのWebアプリが多数提供されると思われる。そこで、すでにiPhoneiPad)なりAndroidなりWindows Mobileなりで提供されているそれぞれのアプリを捨ててまでHTML5版を使いたいと思うかどうかは、それがプラットフォーム依存のアプリにユーザ体験で勝てるかどうかにかかっている。

私は利用者としては、使い易いものであればその提供形態はなんでも構わないと思っているし、クリエーターとしても、最も利用してもらいやすい形態でサービスを提供したいと思っている。もし、すべてがHTML5で最適な形でサービス提供できるのなら、それが利用者にとってもサービス提供者にとっても一番よい(効率とかユニバーサルアクセスの点で)とは思う。世の中の全体的な流れもこっちの方に向いているんじゃないかとも思う。

しかし意外と、そう簡単には「すべてがHTML5」という流れにはならないないんじゃないか。サービス提供者側は、HTML5版(主にPCで利用)、iPhone版(iPad版)、Android版、Windows Mobile版をすべて(あるいは選択的に)提供し、利用者側は自分に都合の良いものを使う。それができないサービス提供者は退場を余儀なくされるか、もしくはそれが誰もが使いたいと思うようなサービスであれば第三者が勝手に使いやすいクライアントアプリを作ってくれる。そしてその中で最も重要なのはHTML版ではなく、モバイルアプリ版(今ならiPhone版)。そういう未来になる可能性が高いと思うし、上にあげたFoursquareFacebookも、すでにそういうカタチになっている(日本のミクシィ、モバゲー、グリーは何やってんだwまぁ今それどころじゃないというのは分かるけど、そうするとやっぱりケータイ同様ガラパゴス一直線だぁー)。

かつてさんざん「このソフトはWindows専用です。Mac版はありません」と言われてがっかりした覚えのある1マックユーザーとしては、プラットフォーム依存の世界というのは微妙すぎる未来なのだが、ユーザーベースがPCとモバイルとではまったく違う(モバイルの方が圧倒的に多い)し、サードパーティによるクライアントアプリも期待できると言う点で(これはPCの世界でもそうだが)、こんな世界も、それほど住みにくいものではないかもしれない。

HTML5がモバイルアプリに負けるようなことがあっても市場から消えることはないと思うが、WebアプリのプラットフォームとしてのHTML5の存在感は極めて限定的なものになるだろう(一部のサービスで一部のデスクトップユーザに利用される程度)。HTML5にとってはかなり厳しい勝負になるんじゃないかと思う。