iPad対抗としてAdobeが本気出してきたかもしれない件

以前よりウォッチしているAppleGoogleAdobeタブレット機プラットフォーム戦争だが、Adobeはどうやら本気で勝負してきそうな雰囲気である。

「HPのタブレット機はWindowsを背後に隠して成功–これならiPadに勝てるかも」
http://jp.techcrunch.com/archives/20100308notice-the-lack-of-windows-in-hps-slate-device-this-is-a-good-thing/

HPのタブレット機にAdobe AIRで動くプラットフォームをのせたみたい。OSはWindowsだが極力それを隠そうと意図している。デモ動画を見る限りなかなか良好な感じじゃないかと思う。

利点。

  1. 今はHPのタブレットに載せましたという状況だが、別にどのメーカー製品にも載せられる。AIR動作環境であればWindowsOSに限らないと思われるので、タブレットのハードウェアメーカーが手っ取り早くiPadに対抗しうるプラットフォームとして、有力な選択肢になりそう。
  2. そうすると自然にApple包囲網の完成だ。Googleも含めて三者鼎立となるか。

一方で懸念点もある。

  1. AIRにしてもFLASHにしても、OSの上にバーチャルマシンが乗っかる構造なのでどうしてもオーバーヘッドが発生する。OSネイティブのアプリケーションと比較すると、マシンパワーを要するのでどこまでスムーズな動作が出来るか?PCサイトのアドビストアなんかヒドイと思う。。。
  2. 同じ理由でバッテリーの持ちも相応に悪化すると思われる。
  3. どうしても「建て増し温泉旅館」みたいになってしまわないか?表面的に「WindowsOSを隠しました」だけでは素敵なデモムービー以上のものは作れないんじゃないか?
  4. iPhoneiPadプラットフォームの強みは、OS、アプリ、開発環境、マーケットがムダなく関連しあっている点で、巷では「iPhoneエコシステム」などと賞賛されている部分である。エコシステムの構築には、相当なリーダーシップが求められると思うが、Adobeにそこまで期待出来るのか?それとも、PDFやFlashでやってきたように「クロスプラットフォームな環境は用意しましたからあとはお好きに」とやるのか?でもそれではビジネスとして大きくならない気が。。。やるならばやはり「Adobe AIR OS」とでも言うべきものを用意しないと、莫大な投資をして莫大な収益をあげているAppleには太刀打ちできないと思われる。
  5. GoogleAndroidやChromeOSにも言えることだが、ハードウェアさまざまなメーカーが出してくるさまざまな仕様に振り回されることはないか?よく知らないがAndroidアプリではここで苦労しているという話も聞く。

引き続き、要経過観察ですね。