iPhone OS 4が発表されましたねということで雑感

マルチタスク、フォルダ、VoIPなど見所は多いけど、将来にわたって最も注目すべきなのはiAdだと思われる。今でも開発者は自分のアプリの中に広告を表示しているが、その広告配信プラットフォームにApple謹製のものが登場した。

  • 開発者:アプリ内に広告を表示するのが容易になる。実装という意味でも、どんな広告を表示したいかの運用という意味でも。
  • 広告主:iPhoneiPad(もだよね?)におけるデファクトとも言える広告プラットフォームが登場したことで、今までよりも多くのユーザにリーチできるかもしれない。
  • ユーザ:基本的に広告は好まない人が多いのが世の常なので、iAdを歓迎しない人は多いんじゃないかと思う。しかしiAdがなくてもアプリ内広告は必ず広がっていくものなのだから(iPhoneユーザがそれだけ多くなって広告主から注目されているということだ)、どうせならiAdに頑張ってもらって少しでも自分に有益な広告が表示されることを期待した方がよいでしょう。
  • Apple:広告事業に乗り出すことはAppleの歴史からみれば画期的な出来事だがiPhone(やiPad)に集まるトラフィックのボリュームを考えれば予測されたことでもある。これまで一貫して製造業であり続けたアップルが、サービス業に本格的に取り組む。もちろんiTunes StoreApp StoreiBook Storeもサービス業の範疇ではあるが、自社で製造したハードウェアの上で動くソフト(コンテンツ)の販売という点で、どれも既存事業の延長線上に位置するものだ。
  • GoogleAndroidAppleの土俵に上がってみたら、今度はiAdで逆にモバイル広告事業でガチンコ対決とあいなった。お互いがお互いの超得意分野に参入した格好だ。もはやジョブズがシュミットがとかいうレベルではなく、はじめからこの2社はモバイル分野での競合が避けられない運命だったと考えるしかない。もともと対マイクロソフトのデスクトップPC限定同盟だったと思えばさして不思議な話ではない。
  • Amazon:個人的に嬉しいのがiBooksiPhoneでも利用できるようになったこと。まあ普通に考えればそうなるよん。Amazonにとっては気がきではないでしょう。可読性、読みやすさという点ではKindle端末が有利なようだけど、実際iPhoneiPadでの読書ってそこまで目が疲れるものなのかどうか。早く試したい。

というわけでiPhoneOS 4というよりiAdの雑感になってしまったが、とりあえず今回はここまで。