Mac用の宛名印刷ソフト「葉書AB」で年賀状の宛名印刷をスマートに行う

年賀状の季節だが、Macには実は有力な宛名印刷ソフトがない。そこらのお店に売っているという意味では唯一といっていい選択肢の宛名職人はバージョン8くらいから使っていてある程度満足はしていたのだが、年賀状印刷のためだけに、バージョンアップごとに(毎年ではなくとも)数千円出費するのはコスパが気になる(今見たらセールで3,780円と昔と比べてかなり安くなっていたが、評判はどうなんでしょう?)。もちろん、ある程度機能に満足したらバージョンアップも要らないのだが、新しいのがでたらつい欲しくなるのが人情だ。

そんなわけで、できれば無料で、しかもスマートに済ませたいということで色々探した結果たどりついたのが、この「葉書AB」というソフト。

葉書ABのサイト
http://www.yamamotosoftware.jp/software/hagakiab.html


葉書ABのよいところ

葉書ABの良いところは、Macのアドレスブックのデータをそのまま印刷に使って、そこそこ満足の行く縦書き宛名印刷が行えるという点につきる。iPhoneiPadMacでせっせと育てていたアドレスブックが宛名印刷にそのまま使える。すばらしい。独自のデータベースを構築して囲い込んだあげく、毎年微妙なバージョンアップを繰り返し、大量の虎やウサギの絵などを収録して儲けようなどという邪悪なことはしないから安心安全にご利用可能だ。そして軽快でわかりやすい。

アドレス帳からドラッグ&ドロップするだけ

葉書AB自体の使い方はいたってシンプル。アドレス帳から印刷したい人をドラッグアンドドロップするだけ。問題は印刷したい人をどうやってピックアップするかだが、宛名印刷ソフトならばだいたい「履歴」機能というのがあって、去年やりとりした人などを抽出できる。葉書ABは前述のとおり一切自分でDBをもたないので、アドレスブックのメモ欄を活用することにする。

履歴管理をどうするか?

すなわち、メモ欄に「2010出」「2010受」「2010喪」などと書いておけば、アドレスブックの検索機能で一発で印刷したい人をピックアップできる。あとは今年新たに加えたい人を追加したり、今年喪中はがきを受け取った人をとり除く。そうすれば「2011出」リストの完成だ。これを葉書ABにドラッグして、レイアウトを多少調整して印刷・・・。住所データ自体は日頃、MaciPhoneiPadでメンテしている(はずな)ので、以上で「年賀状宛名印刷プロジェクト」は完了である。

最後に「2011出」のメモを印刷した人に追加しておかないといけないが、これだけは手作業でひとつずつの作業となるので少々手間がかかる。なお、まとめてvカード(.vcf)に書き出してテキストエディタで一括置換→読込というシャレオツな方法もあったりする。

年が開けて年賀状が届いたら「2011受」のメモを残しておくのも忘れずに。

アドレスデータを一元化することの効用について

かつては住所録データがあちこちに散在していて、誰かが引越した、結婚した、メアド変わったなどの際に、変更が面倒・・・しかも最新のデータが自宅用Mac、仕事用Mac、携帯、宛名職人・・・どこに入っているのかわからないという、気持ち悪い状態だった。しかも大抵の場合は、最新の住所は宛名職人に、最新の電話番号は携帯に、最新のメアドはMac内にというカオスだから「触るな危険オーラ」出しまくりなのである。また一元化したくてもMac同士だけならMobileMeの前身である「.mac」でなんとかなっても、結局携帯には同期できないし(携帯同期ソフトは中途半端なものが多いし、全自動とはいかない)、宛名ソフトへの同期も何かと不自由があったりするなど、労力のわりに得る所が少なく、きっちりメンテしようというモチベーションがどうにも保てなかった。

ところが2008年、iPhone、そしてMobileMeが登場したことによって状況はがらりと変わる。iPhoneMobileMeを利用することで、ケーブルレスで、自動で、しかも数秒で、勝手に断りなく無断で強引に有無をいわせず同期してくれるようになった(この動きは分かっていてもなかなかキモイ)。こうなってくると入力時には相応の手間がかかるとしても、まじめにアドレスデータをメンテしようかという気にもなってくる。(追記)MobileMeのこの同期機能は現在iCloudに引き継がれている。もちろんここに書いた利便性はそのままで、しかも無料になった。

アドレスデータが常に最新でしかも各端末で同期された状態になると日常の各種連絡がスムーズになるのはもちろんだが、外出時に訪問先の場所がわからなくてもアドレスブックからiPhoneの地図を呼び出せば一発でわかるし、宛名印刷以外にもメリットが多い。

その他

  • やはり履歴の入力は手間なのでアドレスブックに一括編集の機能がつくことを強く望む。ちなみにiPhoneではカードをグループ化することで似たことができるが、やはり基本的にはMac側で編集は行いたい。
  • 葉書ABはフォントがヒラギノだけしか選べない。ただ私的には宛名面はプレーンなフォントに限ると考えているため問題ないかなと思ってる。→失礼しました、訂正です。フォントは選べます。画面左下の「編集」をおして編集モードにして、フォーマット>フォント>フォントパネルを出し、変更したいフィールドを選ぶと、フォントパネルでフォント変更ができるようです。コメント欄にてMitchさんに教えていただきました。ありがとうございました。
  • フォントよりもむしろ連名の時の行間を詰めたりしたい。
  • あと住所の漢数字変換をしてくれないなので、これも対応してくれると嬉しい(縦書き住所はやはり漢数字の方がキレイ)。
  • 葉書ABのバージョンアップがここ数年ぱたりと止まっているのが少々気になったり。掲示板でのサポートは続けているようだが、便利なソフトだし、いろいろと改善要望もあがっているようなので、なんとか開発を続けてもらえると嬉しいです。
  • ついさっき宛名職人の新バージョンがどんなものかサイトに見に行ったわけだが、「ここが変わったポイント」というページに、「開発者のこだわり」とだけ書かれていて微妙な気持ちにw ※よくよく見てみると、別ページにちゃんと機能面、操作面での変更点がかかれていました。あーよかった安心した(棒)