シルク・ドゥ・ソレイユ『ZED』に感動し、常設公演を続けて欲しいと願うエントリ。

※このエントリは、2011年11月13日、Twitterに連続ポストした内容を繋げて一部編集したものです。

素晴らしいショーとは裏腹な赤字事業

ZED。たまたま機会があって行って来ました。家族をおいてこっそり一人でリピートしてしまいたいレベル。舞浜エリアのクリエイティブ偏差値高過ぎワロタw

Wikiの記事に深く頷いてしまったので引用します。「演者としての人間を強調」「大道芸、サーカス、オペラとロックの要素をふんだんに取り入れ」「衣装は非常に多彩でそして創造的であり、祝祭の雰囲気を醸し出している」

あとこれに付け加えるなら舞台と照明の素晴らしさ。さらには劇場もそれを堪能できるつくりになっていて、全体として非の打ち所がありませんでした。

現在シルク・ドゥ・ソレイユのレジデントショー(常設公演)は世界4都市9公演。舞浜のZEDもそのひとつで非常に名誉なことだが、残念ながら今年末で終了。以降の予定は未定(!)ちなみに米国以外での常設公演は舞浜のほかには中国マカオのみ。

オリエンタルランドのリリースによると終了の理由はずばり「赤字」。世界有数の可処分所得と、世界ダントツNo1の都市圏人口(3500万人)を抱えて赤字とは・・・。東日本大震災の影響だそうですが。

» オリエンタルランドのリリース(PDF)

シルク・ドゥ・ソレイユ社とオリエンタルランド社のアンバランスな関係

(以下余計な詮索が続きます)事業性無しの判断に至るということは収入が減るか支出が増えるかですが、収入が減るというのはシルク・ドゥ・ソレイユの場合は主に集客減でしょう(昨日は大盛況でしたが)。広告収入、グッズ収入など副収入は集客あってのものです。

支出面では、TDRチケットとのセット売りや各種提携などによるプロモーションコストの増加が考えられます。普通はそれらコストを織り込んだ上でチケット価格を決定するわけですが、当初見込み以上にかかったのだとしたら、それも集客力の低下ということです。

そしてオリエンタルランドシルク・ドゥ・ソレイユ両者の収益配分で折り合いがつかない事態が生じたか。事業環境が変われば双方の力関係も変わります。お互いブランド力の高いコンテンツを抱えてますし、極めて下世話ながら、ありそうな話ではあります。

双方の立場にたつと少し分かる。オリエンタルランド(OLC)からするとシルク・ドゥ・ソレイユCDS)は別になくてもよい。劇場が2170席で1日2公演でも4340人。つまりTDRの圧倒的な集客の前には(残念ながら)雀の涙。

対してCDSにとってOLCの力は不可欠です。現状、舞浜なんかに劇場建設してしまったばかりにOLCに頼らざるを得ない状況だと推測されます。もしこれが都心やお台場あたりのホテルで常設公演を行なっていたら。。。勝手ながら非常に悔やまれます。

つまりはじめからOLCとCDSのタッグは不平等条約だったんじゃないのと。そう思ってWikiを見直すと、やはり常設公演のほとんどがホテル内専用劇場で開催。CDS程度の集客に吊り合うのはホテルだということです。相手がホテルならCDSも対等に交渉できそうです。

唯一米国ディズニーワールドに常設公演があるのは、舞浜と同じ構造です。どうなることやら。

シルク・ドゥ・ソレイユのレジデントショーを都心で見たい!

そろそろ締めます。来年以降まだ不透明ですが、CDSにはOLCと手を切ってもらって是非都内で常設公演を継続して欲しい!ちょうど赤プリの跡地にまた性懲りも無くホテルが建つみたいなのでそこでオケー。計画変更してでもCDSを入れたげてください。お願いします。笑

都心再開発も、昨今の再開発ラッシュとデフレ不況で大変だと推測する。知らんけど。だがCDSなら集客できる!平日2000人、休日4000人の安定集客コンテンツ。。いや、そんなことはどうでもよくって私が打ち合せ帰りに見に行くために(そしてホテルには金を落とさないw)。

最後にこんなの見つけた。読むと、震災は格好の理由扱いで「CDS at 舞浜TDR」の事業構造に問題があったのだと思わざるを得ない。10年の契約が3年で打ち切られるのは、OLC側にそういうオプションがあってそれを行使したということだと思われるが、こんなところもCDSの立場の弱さか。連投失礼しました。おしまい。

» http://ja.wikipedia.org/wiki/シルク・ドゥ・ソレイユ_シアター東京