イラレの文字組みアキ量設定を変更すると発生する「ドロップシャドウ効果の謎のズレ」の解消方法

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この記事はCS4とCS6について書いた記事だが、イラレCCでも問題解消していないことを確認済み。



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イラレで文字を組むときにネックとなっていたのが、段落パレットの「文字組み」で使用する文字組み設定を、「書式>文字組みアキ量設定」で値をいじると、効果でつけたドロップシャドウがズレてしまうことだった。

ちょっと何言ってるかわからない感じの文章になってしまったが、つまりはこんな感じだ。下の図を見てもらうと一目瞭然。行末へいくにしたがい、ドロップシャドウのズレがどんどん大きくなっている(水色が本来の文字、黒がドロップシャドウ)。はじめに気づいたのはCS4だが、CS6でも発生する。

これ、よく見ると、本来の文字は設定したとおりのアキ量が適用されているのだが、ドロップシャドウの方は変更前のアキ量のまま。その差がズレとして出ているということのようだ。

イラレの文字組みアキ量設定を変更すると発生する、ドロップシャドウの謎のズレ


ズレない場合もあるが…

この現象は標準で用意されている文字組み設定では発生しない。だったらそれを使えばいいじゃないかというと、標準の文字組み設定は色々とアレなので、そうもいかない。すると文字組み設定は使用せず手で詰めるか(もともとWebで長文の本文組などはほぼないのでなんとかなる)、使うならばドロップシャドウと関係ないところで・・・という、微妙な不便を強いられることになるわけだ。

これで解消!

で、最近になってようやくコイツの対処法を発見した。方法は簡単。

  1. まずは普通に「書式>文字組みアキ量設定」から自分の好みの設定を作成(この段階でドロップシャドウのズレが発生!ためしにどこかのテキストに適用してみると分かる)なおこの設定は後々捨てるので名前は適当でよい。
  2. 同設定ダイアログ下部の「新規...」クリック。名前は本気出して考えてください。さらに「元とするセット」には、1で作成した設定を選択。つまりは1の設定を複製する。
  3. いっさいアキ量設定をいじらずに(ここ重要!)、ダイアログを閉じる。あ、閉じる前に1で作成した設定は削除してOK。
  4. どっかのテキストに適用してドロップシャドウをかけてみると、あら不思議!影がずれない!

どうやらドロップシャドウのアキは、「直前の変更のみ反映されない」ようなのだ。それが設定を複製することで、「直前の変更」もなにも無くなるのだろうか? ドロップシャドウにもめでたく最新のアキ量設定が適用されるという塩梅だ。

理屈はともかく、数年来ノドにささってとれなかった小骨がついにとれた感じだ。あーうれしい!しかしググってもまったく情報が出てこない本件。みんなあんまり気にならないのかな?

2012年9月20日の追記:別の解決策

文字組について調べていると必ずといっていいほどお世話になる「なんでやねんDTP」の大石さん(id:works014)より、コメント欄にて別の解決策を教えていただいた。方法は簡単で「ズレた状態で書類を一度保存して閉じ、再度開く」というもの。なるほど!ありがとうございます!

→さらに追記:コメント欄にもあるが、その後さらに大石さんの方で検証されたところ、この方法は「保存後ズレが解消されたモノは文字組みアキ量設定通りではない……変更前の設定を引きずっている」ということだった。私もCS6で確認したところ、その通りだった。作成した文字組みアキ量設定を複製する、という本文記載での解決策は有効なので、当面はこの方法でしのいでいきたい。

どうやら、文字組設定を「あらためて読み込む」たぐいの操作をすると、ドロップシャドウにも新しい設定が反映される、ということのようだ。