子供用iPhoneの機能制限について、やったことをまとめたよー。

2014年1月13日 子どもの成長に伴い少し追記。LINEアプリとか。

子どもが小5になって、いくつか状況が変わったところもあるので、下のほうに追記した。LINEも始めやがった。Youtubeもよく見てる。

2013年9月27日 iOS7向けの情報を追加

iOS7から機能制限にアダルトWebサイトの不許可にすることができるようになった。その他、細かな記述の追加・修正も随時しています。



はじめに

最近ジャニーズやらAKBやらミスチルやら音楽を聴くことを覚えたうちの小学生キッズたちに、私のお古のiPhone 4(SIMなし)を渡すことにした。
以前は、子供にiPhoneを渡すとフリーダムにいろいろできてしまいそうな印象があったが、実際には子供の年齢にあわせて、まずまず十分といえる機能制限が可能なことがわかった。うちの場合はとりあえず小学4年生の息子を念頭においたが、小学低学年から高学年、中学生、高校生・・・と、徐々に制限をゆるめることも出来そうである。

できたこと

  • 有害サイト、出会い系サイト、SNS掲示板等へのアクセス禁止(フィルタリング)
  • フィルタリングされているサイトへのアクセス許可(個別に親が許可できる)
  • iTunes StoreApp Storeでの購入やアプリインストールの禁止
  • 個人情報(連絡先、位置情報、写真など)のダダ漏れ対策
  • アカウント追加や変更の禁止
  • 機能制限を勝手に変更することの禁止

できないこと、留意点は?

  • 利用時間の制限ができない(Macでは可能なのに・・・)
  • サイトのフィルタリングについては、ヤフーとEMAに判断を一任するかたちとなる→iOS7からはiOS標準機能としてWebサイトのフィルタリングができるようになった。こちらは何を基準にフィルタリングしてるかは不明。

準備

  • 今回はお古を渡す関係上、とりあえず全アプリ、データを削除した。

やったこと

  • 設定 > 一般 > 機能制限
    • まずは機能制限をオン
      • これで以下すべての機能制限に関する設定が有効になる。
      • 4桁のパスコードを知らないと機能制限の解除や変更はできない。このパスコードは端末ロックで使用するパスコードとは別。まあ、端末ロック用のパスコードは利用者(つまり子ども)も知っていないといけないので、別なのは当り前といえば当り前だ。
    • 「許可」セクションの設定
      • Safari:オフ(iOS6以前は無条件でオフにすべき)
        • Safariをオンにするとそれだけで「フリーダム」になってしまうので。いつオンにしてあげるかは悩みどころ。iOS7以降は下の「Webサイト」の項を参照。場合によってはオンでもいいかも。
      • カメラ:オン
        • 勝手になんか撮って楽しんでるようです。
        • 以降の設定をすれば撮った写真を勝手に共有できなくなります。
      • FaceTime:オフ
        • いずれ子供用のiCloudアカウントを取得したらオンにしてもいいかも。
      • iTunes、インストール:オン
        • どのみち購入/インストール時には(無料のものでも)パスワードが必要なのでオンで良しとする。
        • もしストア自体を一切見せたくない場合はオフにすればよい。
    • 「コンテンツの許可」セクションの設定
      • ムービーとAppは年齢に応じた制限が可能なので適宜。
      • App内での購入:オン
        • やはり購入時にパスワードが必要なのでオンで良しとする。
      • Webサイト(iOS7以降)
        • オンにするといわゆるフィルタリングができる待望の機能だが、急ぐ人のために結論だけ先に書く。現段階では本フィルタリングに頼らずサードパーティのアプリやソリューションを使うべきだと考えている。このiOS標準のフィルタリングの最大の欠点は、デフォルトでの制限はやたら厳しいくせに、いざサイトを「許可する」となったらドメインごとまるっと許可してしまうこと(f○2とかライ○ドアとかまるっと許可しちゃうとマズいドメインがいっぱい有りますよね!)。もうひとつ、年齢に応じた段階的なフィルタリングレベルも選べない。
        • したがってうちではSafariも本フィルタリングもオフにして、Webアクセスの制限については後述のヤフー!あんしんネットを使用している。
        • ほかにもプロバイダやキャリアのフィルタリングサービスも検討の余地があるだろう(オススメがあったら教えて下さい)。
        • (以下はiOS7追記当初のファーストインプレッション。本機能制限について少しくわしく知りたい方はどうぞ)iOS7からようやく、もっとも大事といっても過言ではないWebサイトの許可設定ができるようになった。「アダルトコンテンツを制限」するか「指定したWebサイトのみ許可」するかを選べる。制限されたサイトにアクセスしようとするとアクセスできない旨が表示される。その画面の「Webサイトを許可」をおすと機能制限の4桁のパスコードを求められた上で許可することも可能。
          後述の「ヤフー!あんしんネット」は、小中高それぞれに制限があるのでより便利なのだが、こっちのOS標準機能の最大のメリットは、どのブラウザでも制限できることで、試した限りでSafariChromeFacebookのアプリ内ブラウザで制限が機能した。さすがはOS標準機能。おそらく他のアプリでも同様。「アダルトコンテンツ」はエロだけでなくグロも含まれるようでその点も安心。
          また面白いのはGoogleやYahooでアダルト系のキーワードが含まれていると、検索結果自体が表示されない。GoogleやYahoo自体はもちろん利用可能だが「アダルトコンテンツ」に関連すると思われる検索はできないということだ。未確認ではあるが、iOS標準の検索サイト(Google、Yahoo、bing)ではこの機能が働くのではないか?
          ・・・で、使用感。機能評価のために私自身のiPhoneで半月ほど使ってみたところ、かなり制限が厳しい。恐らくホワイトリスト方式で、そのリストもかなり真っ白なんだろう。個人ブログなどはもれなくアウト。ヤフー!あんしんネットの小学生モードと同じくらいかな?まあ、小学生の親としてはこのくらいじゃないと困るのだが、中学、高校と進むにつれて「面倒くさい→もうフィルタリング解除しちゃえ!」となりそうで怖い。
          例えばWeb制作やアプリ開発関連の調べ物でググるとほぼ見れない。
          また逆に、ヤフー!あんしんネットの少なくとも小学生モードでは禁止されているまとめサイト系はアクセスできるものもあった。ただまとめサイトでもエログロ系はきちんと禁止されている感じなので、これはそこまで心配しなくてもいいかもしれない。
          もうひとつ。たとえば d.hatena.ne.jp を許可すると、d.hatena.ne.jp 配下のすべてのページが許可される。私のブログを見たくて許可したら、すべてのはてなダイアリーを許可することになると思われる。はてなならともかく、ライブ○アブログとかfc○ブログなどがこれでは少々(というか、かなり)困る。この辺、ヤフー!あんしんネットでは、許可範囲は許可したURLの階層以下なので非常に実用的。
        • そんなわけで前述の結論に至る。
      • パスワードを要求:即時
        • 「15分」にするとその15分間で購入しまくることが可能になってしまうので一応。
    • 「プライバシー」セクションの設定
      • すべて「変更を許可しない」に設定。
      • これによりアプリがプライバシー情報(位置情報、連絡先、写真、etc.)を利用することを防げる。
      • アプリごと個別にオンオフの設定も可能。つまり「マップと天気アプリのみ位置情報の利用を許可する」みたいなコントロールができる。そして「変更を許可しない」にしているので、子供は設定を勝手に変更できない。
    • 「変更の許可」セクションの設定
      • アカウント:変更を許可しない
        • 新たにアカウントを追加できなくなる。
        • ちなみに現在のところは私のiCloudアカウントだけを設定中。
        • 設定の際は、この項目は最後に設定することをおすすめする。iCloudの設定など後述の設定まで変更できなくなっては意味がないので・・・
  • 設定 > iCloud
    • 前述のとおり私のiCloudアカウントを設定。
    • ただし「フォトストリーム」と「iPhoneを探す」と「iCloudバックアップ」以外のすべてをオフに。
    • 繰り返すが、親のメール、連絡先、カレンダー、メモなどにアクセスし放題となるので上記以外は必ずオフに
    • というか今すぐ子供用アカウント設定してもなんら問題ないが面倒臭くてやってない。
  • 設定 > メッセージ
    • iMessage:オフ
    • MMSメッセージ:オフ(SIMなしの現状では関係ない項目だが)
    • 中学生くらいでオンにすることになるのかも
  • 設定 > FaceTime:オフ
  • 設定 > iTunes Store/App Store
    • Apple IDには私のアカウントを設定。これもいずれは別アカウントを設定する日がくると思われる。
    • 別アカウントにすると、子供に「毎月◯◯円の利用枠をプレゼント(iTunesアローアンス)」みたいなことができるらしい。
    • 自動ダウンロードはミュージックもAppも共にオフ。まあAppさえオフならミュージックはオンでもよいのかも。
  • 設定 > 写真とカメラ
    • 自分のフォトストリーム:オン
      • 現状私のiCloudアカウントを設定してるので、結果として親子で同じフォトストリームを見ることになる。
    • 共有フォトストリーム:オフ
      • こちらはオフにしておかないと勝手に外部へ写真を公開できてしまうので注意。
  • 設定 > Twitter
    • アカウント設定されてないことを確認。これもいずれ(ry
  • 設定 > Facebook
    • 同上
  • 「ヤフー!あんしんネット」アプリのインストール
    • Safariの代替となるブラウザアプリ。→ iOS7からOS標準のWeb閲覧の制限(フィルタリング)ができるようになったが、前述のとおり機能に不満があるので本アプリの使用を継続する。iOS6以前の機種でも使用可能。
    • フィルタリング機能によって不適切なページを閲覧できなくなる。
    • フィルタリング設定は小学生、中学生、高校生向けなどが用意されているので徐々に制限をゆるくできる。前述のiOS7の標準機能にはない便利機能。
    • 閲覧できないサイトでも、親に「アクセス許可のおねがい」ができる。
    • 閲覧履歴削除が「できる」という特徴(?)がある。
    • iPhone版とiPad版があるが、iPad版を初代iPadで使用したところ、実用に耐えないレベルで非常に動作が重かった。初代iPadはハードウェアもOSも古いため(iOS6以降はインストールできない)どちらかに原因があるのかは分からない。
  • 「ヤフー!きっず」アプリというのもあるが、こちらはどうか?
    • これもブラウザアプリ。よりシンプルで、より低年齢向け(・・・と思っていたのだが)。
    • 小学生向けには上の「あんしんネット」よりもこちらの方がシンプルでよいかと思い、試しに使ってみたのだが・・・なんとリンクを辿ることで、2ちゃんだろうがエロバナー満載のアフィブログだろうがもりもりアクセスできてしまったので却下。
    • 閲覧履歴削除が「できない」という特徴(?)がある。
  • 他のアプリは?
    • 今のところ特にインストールしてないが、親子で決めたルール内でゲームなどやる分にはいいと思う(というか今でも親のiPhoneでゲームもネットもしてるし)。→その後、いろいろゲームをインストールしてる。

今後どうするか?

  • とりあえず小学4年生ということで、最初はガチガチに制限してみた。
  • 今後、上に書いたようにまずはゲーム、次にTwitterやらFacebookやらを許可する流れになると思われる。

5年生になったよ。LINEと電話を使用開始。

  • 冒頭に書いたようにLINEをはじめた。友達がやってるとかでアプリインストールをおねだりされたときは「ついに来たか」という感じであった。
  • Twitterのように意図せず無制限にプライバシーを拡散することはないので一応許可。以来、数人の友達とやりとりしているようである。
  • 人の悪口は書くなとか、チ○コの写真は撮るなとか一般的な注意をした。まだ局部ネタで喜んじゃう年頃なのでフランクに話せたが、その分ちゃんと伝わっているかは甚だ疑問。
  • 一連のTwitter炎上事件の話もせっかくなので少ししてみた。悪口にしても悪事やいたずらの類にしても、ネットに限らない一般常識レベルの話ではある。しかしやらかしたときのリスクは子どもの(大人も?)想像力をはるかに超えた事態となるのがネットの怖いところで、これは最初だけでなく、折にふれて都度話していくことだと思っている。
  • LINEのアプリ内ブラウザはURL入力や検索はできないのでまあヨシとした。実際にはリンクをたどって運良くGoogleとかに辿り着いてしまえば(iOS標準のWeb制限をかけていない限り)あらゆるサイトにフリーアクセスとなってしまうので気にする方はご注意を。
  • 習い事の関係で電話機能を使用できるようにした。ただし「設定>モバイルデータ通信」をオフにしてあるので外出先では電話以外の通信は出来ない。

感想文 〜 子供とメディアの接し方について

  • 一切メディアに触れないよう親が制限した状態を100、親がまったく関与しない状態を0とするならば、親の役割は、これを幼児期から高校生くらいまでの十数年かけて上手に100から0へと導くことだと思う。
  • 親のコントロールなんて不要だという意見もたまに耳にするが、テレビ・雑誌などのレガシーメディアならともかく、ネットではちょっと怖い。希釈されていないエロ、グロ、犯罪に関する情報に小中学生が簡単にアクセスできて良いわけがない。
  • 子育てに関する私の好きな言葉のひとつに「子供が出来たら胸を離すな(乳児期) 胸を離したら手を離すな(幼児期) 手を離したら目を離すな(少年期) 目を離したら心を離すな(思春期〜)」というのがあるが、子供とメディアの接し方もまさにこれと同じで、年齢相応に親離れ子離れの段階を踏めるよう、そこは親が考えるところだ。
  • 100から急に50や0にしてはいけないだろうし、逆にハタチでまだ20とかでも困りもの。
  • ちなみにいつ0にするかは個人差もあるだろうしまだ決めてないが、ともかく、いろいろな知恵がついてくるとくに10歳以降は、ノーガードのiPhoneを与える危険性をちゃんと認識しないといかんなと思った。

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