ぼくのかんがえたさいきょうのデザインスクラップ術

今までちまちまとフォルダに集めてたり、Evernoteに貼り付けたりしてたんだが、どうにもこうにも一長一短で決め手に欠けていたのだが、最近になってようやくこれかと思える方法を確立し(かけ)たのでここに記す。あらかじめ言っておくと、Macド標準のiPhotoを使うというプリミティブな方法である。
まだ1ヵ月しかこの方法で運用してないのでこれが最強だなどと言うつもりは毛頭ない(そう、タイトルは釣り)。むしろEmberユーザ様などからの「情弱乙」だったりEvernoteユーザ様からの「氏ね」だったりWindowsユーザ様からの「信者乙」だったり、いろいろなお叱りの言葉をお待ちしておりますので、よろしくお願いいたします。

俺の要件

  • デザイン(つまり画像)をスクラップしたい。
  • SafariiPhoneアプリスクリーンショットからの取り込みがメイン
  • スクショへの落書きはやらないのでいらない
  • 1日数個〜10数個たまっていく感じ。ゼロ個のときもあるので週に数十個くらい
  • タグ必須
  • iPhoneiPadへ同期したい
  • こんな要件を満たしつつ、取り込み・分類整理・活用のいずれのフェーズも簡単に。ものぐさな人間でも負担でないレベルで

こんな感じ。
そしてiPhotoを使ってこの幼稚な要件を満たすさいきょうのほうほうが以下のとおりとなります。

ステップ1:スクラップ画像の取り込み

iPhotoに取り込むパターンを細かくわけて考えてみると、私の場合おおむね4パターンある。それぞれの取り込み方法は次のとおりだ。ここが面倒くさいと何もはじまらない重要なステップ。

  • Aパターン:Safariで今見ているページの特定の画像をスクラップする
    → 画像を右クリックして「イメージをiPhotoライブラリに追加」
  • Bパターン:Safariで今見ているページ全体、またはAパターンで取得できない部分(HTML部分など)をスクラップする
    SafariプラグインAwesome Screenshotを使用して「イメージをiPhotoライブラリに追加」
    → このプラグインは、画面の表示している範囲だけでなく、一番下までスクロールしてページ全体のスクショを取得してくれる。同種のものは、アプリ、プラグインWebサービスなど形式を問わずいろいろあるが、Safariで使用可能で必要十分な機能を備えているため愛用している。取得したスクショに、コメント、ぼかし、各種落書き、トリミングが可能。私はあまり使わないのでアレだが、おそらくSkitchと似たような操作感なのかな?
  • Cパターン:Safari以外で今画面に表示されているものをスクラップする
    スクリーンショットを撮り、ローカルに保存された画像ファイルをiPhotoにドラッグ
  • Dパターン:iPhoneスクリーンショット
    iPhoneスクリーンショットはフォトストリーム経由で自動的にiPhotoに保存される

ステップ2:分類、管理

iPhotoで取り込んだスクラップには、種類ごとにキーワード(いわゆるタグ)を付与する。キーワードごとにスマートアルバムを作っておくと、勝手に各アルバムに分類整理されて非常に快適。キーワードはたとえば「Website」「App」「Logo」「Illustration」「Banner」といったもので、複数キーワード設定可。
これに加えて私は上記A、Bパターンの場合、URLを写真情報の「説明」になるべくコピペしておく。これが一番面倒なステップなのは承知している。単純に後日参照したいのもあるし、iPhotoから画像をシェアするときURLが自動で本文に入るのでなにかと便利だ。

ステップ2の補足:キーワードの効率的な入力について

キーワードは入力補完もされるので何もしなくてもわりと効率的に設定はできるのだが、ここはクイックグループ機能を使ってさらにスマートに入力したい。「ウィンドウ>自分のキーワードを管理」ウィンドウで特定のキーワードをクイックグループに設定すると、頭文字をタイプするだけでキーワード設定される。のみならず、キーワード入力欄をクリックしてフォーカスさせる必要すらない。間違ったらもう一度タイプすると消える。間違ったキーワードや使わなくなったキーワードを削除したり、キーワード名を後から変更したくなったときもこのウィンドウを使う。頭文字がダブったときは次の文字がショートカットとして利用されるし、それ以外に自分で独自のショートカットを設定することもできる。

ステップ3:サボり対策(?)

iPhotoは通常の写真管理にも使ってるので混ざっちゃうと面倒だ。混ぜないためにはスクラップする都度キーワード設定するのが一番だが、ついサボっちゃって「いつかまた」みたいにやってしまうと1〜2ヵ月立つ頃には混ざりまくって大変なことになる。サボらないのは私にとって少々難しいので「未整理のスクラップがたまっても破綻しない仕組み」をどうするかっていう話。
やったことは単純で「キーワード未設定の画像のうち、カメラ機種が設定されていない画像」という条件のスマートアルバム「要整理」を作ってやる。この条件だと通常の写真や整理済みのスクラップははじかれるので、未整理のスクラップのみが大集合することになる。たまにスキャンした紙焼き写真なども混ざるがレアケースだ。

注意点としては、こうして溜め込んだ未整理のスクラップに、いざキーワード設定しよう!というときは、対象画像をすべて一時的なアルバムに保存すること。これをしないと、画像にキーワードをひとつ設定した瞬間に「要整理」アルバムから消えてしまう。複数キーワードを設定したいときにこれでは困る。

スマートアルバムか普通のアルバムか?

まだ試行錯誤中で、たとえばスマートアルバムじゃなくて普通のアルバムにしたほうがいいのではという考えも少しある。例えばローカルにiPhotoで管理されていない過去のスクラップ画像がたくさんあるときは、Finderから直接iPhotoのアルバムにドラッグで放り込んでやるほうがはるかに効率的だ。いちいちキーワード設定する必要がない。実際私も当初は通常アルバムを使っていたし、今でももしCパターンが多いなら、そのほうがよさそうだ。現状ではAパターンとBパターンがメインなので、スマートアルバム方式にしている。

なぜiPhotoか?

実は他のアプリはあんまり試してない。Evernoteを少々たしなんだ程度だ。Evernoteはテキストスクラップのソリューションとしては優れているが、ビジュアルのスクラップブックとしては使い勝手が悪い。サムネの拡大縮小ができないとか、タイトルがないと気持ち悪いUI設計(テキストメモがメインなので、むしろ当然そうあるべきだ)とか、画像ドラッグするためにあらかじめ新規メモを作っておく必要があるとか、気になるのはそんな部分だ。Webページをまるごとスクラップできる機能は便利だが、これもコンテンツのスクラップがメインでレイアウトが完璧に保持されるわけではないので、私の用途には合致しない。

iPhoto…というかこの「さいきょうのほうほう」で私が気に入っているのは以下のような点。

  • 冒頭に書いたようにスクラップの取り込みが意外にもラク。もともとデジカメ写真整理ソフトなので、スクラップ用途にはどうかと思ったが、右クリックとAwesome Screenshotのおかげで問題ないレベル。この方法をはじめてから、iPhotoを常時立ち上げておくようになった。これは嫌な人もいるかもしれないし、私も重めのソフトが常駐するのはどうかと思ったが、やってみるとそんなに気にならず、むしろサクサク画像を放り込める快適さが勝った。
  • 重要なのが「サボる」運用が可能な点。スクショとったその時にタグをどうしようとか余計なことを考えなくて済む。小さなことだが、そのときやってる作業への割り込みを最小限にできるのがグッド。
  • サムネ画面も個別写真画面も、トラックパッドのピンチイン・ピンチアウトでぬるぬる拡大縮小できる。
  • サムネの見せ方がスマート。極端に縦長(特に最近のウェブサイト、スマホサイトに多い)の場合は上下を省略して見せる。タテ・ヨコが極端じゃない場合は普通にすべて見せる。一律「正方形」とか「4:3」とか決めずに幅をもたせているところがいい。
  • iPhoneiPadの「写真」アプリとも勝手に同期してくれる。

で、Emberは?他のソフトは?

すごく気になっていることは事実だが…5,000円かーーーという感じ。Ember推しの人には意見をぜひ聞きたいと思っている。他にもオススメがありましたらぜひ…。

ヤフーショッピング無料化に思うこと

ヤフーショッピングが出店料や販売手数料などの無料化を発表した。
これによりヤフージャパンは短期的に二桁億円の減収になるということだが、中長期的には出店数が増加し品揃えが豊富になることで媒体としての価値が高まり、広告収入等で今以上の収益を目指すという話。

孫社長の相変わらず上手な発表の仕方もあるのか、世間一般の反応としては「ヤフーが楽天をつぶしにかかった」という捉え方をされているようだが、この評価は少々過大ではないかと思う。決して軽い発表ではないことは事実だが、たぶん、実態に即した評価とはいえない。

無料じゃない

「無料」という言葉に引きずられて勘違いしそうになるが、今回のヤフーショッピングの発表は、出店料・販売手数料・広告等で稼いでいた売り上げを、主に広告に一本化して稼ぐようにしますよという話だ。広告を出すのは出店者自身で、もちろん出さなければ無料だが、ヤフーショッピング自らが広告で稼ぎまっせーと明言している以上は広告出稿店舗はそれなりに今まで以上に優遇されるだろうし、広告を出さない店舗はこれまで以上に集客できなくなる。
「このお店でしか売っていない」「このお店でしか買いたくない」というような強烈なブランド力を持つ店舗以外、つまりほとんどの店舗は、浮いたお金を全額広告につぎ込むくらいの覚悟は必要だろう。
孫社長の発表で古来から続くショバ代ビジネスの例えが出ていたけれど、今後のヤフーショッピングにおいては、ショバ代は貰わないかわりに広告料払わないアンタのお店はモールのすっげーーー奥の薄暗い一角に押し込んで看板も取り外させてもらいますねーーー、とこのくらいの仕打ちを受けてしまうのだと、実際はわからないがそのくらいに考えてちょうどいいのではないか?そう考えるとこれはもう紛れも無く広告料=ショバ代だ。
そういうわけで今回の発表で「無料」というのはメイントピックではないと私は考えている。

評価できること

いっぽうで外部サイトへの誘導や顧客へのメール送信を許可したのは手放しで喜んでいい。出店者としてデメリットがなにもない。
もちろん顧客がヤフーショッピングで買いたくなるように、ヤフーとしては各種ポイント連携を強化したり、シームレスで購入しやすいようユーザインタフェースを改良したり、なるべく外部(出店者の本サイト等)へ逃げないように手を打つだろうが、これは本来顧客にとっても出店者にとっても悪いことではない。
出店者としてはこれまで「販売手数料をポータルにとられたくないからなるべく本サイトへ誘導したい」というモチベーションが常にあったが、ヤフーショッピングでは販売手数料が無料なのでそれがなくなる。ヤフーでどうぞというわけだ(ただ前述のように販売手数料の代わりに広告費が増えるだけという可能性もあるが、それでも外部サイトリンクOKのメリットが消えるわけではない)。
顧客へのメール送信については、本当になんの縛りもないのかわからないが、そうだとすれば英断だ。

とりあえずのまとめ

あんまりまとまってないけどまとめ。
総じて言うと、お店の立場では「出店してもいいかな?」と検討する余地は十分に出てきた。ヤフーショッピングとしてもまずはお店にそう思ってもらうことが第一歩だ。
この一歩の意味を別の角度から見てみる。
ECサイトを、楽天ヤフーアマゾンのようなポータル型と、GMOメークショップ、ペパボのカラーミーショップ等や最近話題のStores.jpやBASE等のASP型の2種類にわけたとき、ポータル型の特徴は固定費が高く自由がきかないが集客に優れ、ASP型は固定費が安く自由だが集客が弱いということになる(自社開発型等はここでは考慮しない)。
今までのヤフーショッピングは、ポータル型で必須の集客力が弱いくせに、固定費と自由度はASP型に負けるという、いいとこ無しの丸出ダメ子ちゃんだった。

今回、無料&自由にしちゃいますというのは、見方を変えるとASP型に近づける施策であって、実際多くのASP型は危機感を抱いていると思うが、それに加え集客も天下のヤフーが本腰を入れそうな気配である。これで集客力もあり安くて自由なイイトコどりの素晴らしいサービスがついに登場・・・!とはならないが(たぶん大して安くならないので)、安く見せかけて出店を促し活性化して集客につなげる・・・こんな絵をヤフージャパンは描いていて、孫社長が「革命」というほど大層なものではないが、ヤフーとしては打てる手を打った着実な一歩だと言える。

楽天アマゾンに負けてるとは言え、EC市場全体としては伸びる傾向は疑いようもなく、そこに親玉自らプレゼンしてテコ入れに乗り出してきたというのは、ここに力を入れますよというメッセージに他ならず非常に期待がもてる。歴史をひもといて地代だの小作農だのやり出したときには若干苦笑してしまったが、そうやって孫社長が革命だとぶち上げることも戦略のひとつということだ。

最後になるが、ヤフーはショッピングポータル事業の売上比率が低いため多少冒険して失敗しても立て直しが効くというライバルにはない強み(?)を持つ。個人的には、「無料」というのは市場をその気にさせるバズワードにとどめてもらって、革命の本丸はこの強みを最大限発揮し、効率的で本当に役に立つリコメンドやそれをベースにした読む気になるメルマガ、商品カテゴリごとに最適化されたドリルダウン検索、心地よくてスムーズな購入UI・・・等々をガンガン導入してもらって多少の混乱をも顧みず攻めて市場を勝ち取って欲しい。うーん、そこまでは無理かな・・・w

イラレの四角形1つだけでiPadを作ったよ。デザインカンプ作成にどうぞ。

これらの記事↓に刺激をうけて、イラレの四角形1つだけでiPadを作った。
Illustrator Unlimited Appearance
https://jypg.net/works/3408
変態的にすごい!レイヤー効果を駆使してわずか1レイヤーで描いたアイコン達
http://w3q.jp/t/4269
アイコンみたいな変態性はない。前に4オブジェクトで作ったiPadがあったので、そいつをベースに「よし!じゃあ次は1オブジェクトだな」といったノリでやってみました。イラレアピアランス超楽しいよ。
ちなみにイラレアピアランスとかフォトショのレイヤー効果って、CSSとの相性が抜群のようです↓ すごい!!
HTMLとCSSで手帳アイコンを書いてみました。
http://squeeze.jp/blog/web-design/icon-design-css-only/
イラレアピアランスで作れたアイコンが凄かったので、HTMLとCSSで模写した。
http://kojika17.com/2013/08/4lines-css-camera.html
SVG「・・・」

aiファイルのダウンロードはこちら

http://waramo.co.jp/downloads/ipad_ai_CS6_130810.zip
(188KB / CS6以上)
↓こいつを1つの四角形+アピアランスで作った

アピアランスパレットはこんな感じ

iPad miniiPhoneでもできそう。 誰かやってみたらぜひ教えて下さい!(自分でやる気なし)

iOS7フラットデザインに関するファーストインプレッション

スーパーフラットになったiOS7(携帯料金の話ではありません)。アップルのサイトの静止画&動画を見たファーストインプレッションです。アップルがどんな風にフラットデザインしてくるか楽しみだったのですが・・・

Appleフラットデザインしたらこんな感じになりました

どうでしょう?

某OSのようにデザイン的に破綻はしてないと思います。どころかぱっと見COOOOLな感じで格好いいです。ただやはり・・・ボタンは分かりづらそう!おばあちゃんとかに「右上のボタン押して」「え?ボタン?どこ?」「・・・」こんな会話が頻発しそうです。
この画面の「Select」「Share」「Collections」がボタンだと分かるのは、スマホリテラシを持っている人だけではないでしょうか。あるいはUIデザイナーもボタンのメタファを使わず万人にこれがボタンだと理解させるのは難しいでしょう。どうも今の流れのフラットデザインは、使う方にも作る方にも難易度が高いように思います。
ホーム画面のアイコンがフラットだとかそういうのは別にいいのですが、ボタンやスイッチなどUI要素はやはり確立された視覚的なフックが必要な気がします。

ちょっと心配

ハードウェア(グラフィック性能)の制約を少なからず受けていたOS9までのUIデザインは別として、コテコテ路線のアクアデザイン、シンプル方向へ振り切った感じのフラットデザインを両極とするならば、その中間ともいえる従来のiOSや今のMacOS XのUIが一番「ちょうどいい」ところを突いているように思います。主張しすぎずにしっかりそれと認識できます。

GoogleAmazonKindle)、MicrosoftAppleとだいたいこんな順番でフラットデザインが一周した気がしますので、これから二周目です。個々の出来不出来にもそれぞれ言いたいことはありますが(特にMicrosoft!)、各社ともブラッシュアップしてくるのは間違いないと思います。今後どうなるんでしょうか。

少なくとも私自身がWebサイトやアプリ等のデザインをするときには、フラットデザインは全面的には取り入れにくいです(低彩度の色遣いとか前述のアイコンのテイスト等は別として)。ユーザ視点で考えると特にITリテラシの低いターゲットの場合は使いづらさにつながるということ。作り手視点ではフラットデザインを「格好良く」「使いやすく」見せるのは相応のパワー(時間と経験値)が求められること。後者は作り手個人の努力で乗り越えることができますが、前者については実際に色々な人が使っているところを観察してから、あらためて評価してみたいと思います。

もっと心配

あと、フラットデザインはテキストと四角ベタ面が中心なので非デザイナーが簡易にそれっぽいUIを構築するために都合がいいのだ的な話を耳にすることがありますが、とんでもない話です。フラットデザインで「わかりやすい」「使いやすい」UIを構築するのは、見た目から受ける印象以上に難しいです。しかもグラデだシャドウだ鏡面反射だとごまかしが効かないため、デザインの基礎がないと間違いなく格好わるくなります。。。非デザイナーが迂闊に触って大怪我した例を我々はWindows8で見ています。

そんなわけで、今のままのフラットデザインならば、MacOS Xに適用するのはやめて欲しいです。
iOSならば要素の少なさということもありますし、今までのiOSの操作リテラシが前提としてあれば、そこそこ快適に使えるのではないかと思います。

雑多な感想1:タブバー

上部の各ボタンもさることながら、下部のタブバーとそれ以外の部分の違いがわかりにくい。

雑多な感想2:メッセージとキーボード

キーボードもフラットデザインに。シフト、スペース、Returnなど特殊キーはわずかにグラデがかかっている。他の画面と同様、やはりヘッダ領域、メッセージ表示領域、入力フィールド領域、キーボード領域のメリハリが乏しく、このフラットデザインをすべてのUIに適用するのはやはり無理があるのでは・・・?!と疑念を抱いてしまいました。

雑多な感想3:メール

メールも同様。ヘッダとフッタがわかりにくい。新規作成ボタンの見つけづらさにもつながるのでは?

雑多な感想4:Safari

アイコンがイマイチな例。はじめてブックマークアイコンを見た人はこれが本のメタファだとわからないと思う。またシェアアイコンはせっかく従来の右上に弧を描いて飛び出したようなアイコンが定着してきたと思ったらこのタイミングで変えてきた。この変化について来られないユーザも多いのでは。変わること自体をとやかく言うつもりは全くないが、変わった先に何もなさそう(に見える)変化は支持できない。

雑多な感想5:パネル

比較的フラットデザインがハマっている例。しかしパネルを引っ張るグリップ部分はiOS6までデザインの方がやはり直感的。全般的にすっきりと格好良いが、こういうのを見て「よし!他のアプリもこれで行こう!」となってしまうのが間違いの元なのではと思ってしまう。

その他実際の動きと合わせていろいろなアプリの使い勝手を確認できる。
http://www.apple.com/ios/ios7/

子供用iPhoneの機能制限について、やったことをまとめたよー。

2014年1月13日 子どもの成長に伴い少し追記。LINEアプリとか。

子どもが小5になって、いくつか状況が変わったところもあるので、下のほうに追記した。LINEも始めやがった。Youtubeもよく見てる。

2013年9月27日 iOS7向けの情報を追加

iOS7から機能制限にアダルトWebサイトの不許可にすることができるようになった。その他、細かな記述の追加・修正も随時しています。



はじめに

最近ジャニーズやらAKBやらミスチルやら音楽を聴くことを覚えたうちの小学生キッズたちに、私のお古のiPhone 4(SIMなし)を渡すことにした。
以前は、子供にiPhoneを渡すとフリーダムにいろいろできてしまいそうな印象があったが、実際には子供の年齢にあわせて、まずまず十分といえる機能制限が可能なことがわかった。うちの場合はとりあえず小学4年生の息子を念頭においたが、小学低学年から高学年、中学生、高校生・・・と、徐々に制限をゆるめることも出来そうである。

できたこと

  • 有害サイト、出会い系サイト、SNS掲示板等へのアクセス禁止(フィルタリング)
  • フィルタリングされているサイトへのアクセス許可(個別に親が許可できる)
  • iTunes StoreApp Storeでの購入やアプリインストールの禁止
  • 個人情報(連絡先、位置情報、写真など)のダダ漏れ対策
  • アカウント追加や変更の禁止
  • 機能制限を勝手に変更することの禁止

できないこと、留意点は?

  • 利用時間の制限ができない(Macでは可能なのに・・・)
  • サイトのフィルタリングについては、ヤフーとEMAに判断を一任するかたちとなる→iOS7からはiOS標準機能としてWebサイトのフィルタリングができるようになった。こちらは何を基準にフィルタリングしてるかは不明。

準備

  • 今回はお古を渡す関係上、とりあえず全アプリ、データを削除した。

やったこと

  • 設定 > 一般 > 機能制限
    • まずは機能制限をオン
      • これで以下すべての機能制限に関する設定が有効になる。
      • 4桁のパスコードを知らないと機能制限の解除や変更はできない。このパスコードは端末ロックで使用するパスコードとは別。まあ、端末ロック用のパスコードは利用者(つまり子ども)も知っていないといけないので、別なのは当り前といえば当り前だ。
    • 「許可」セクションの設定
      • Safari:オフ(iOS6以前は無条件でオフにすべき)
        • Safariをオンにするとそれだけで「フリーダム」になってしまうので。いつオンにしてあげるかは悩みどころ。iOS7以降は下の「Webサイト」の項を参照。場合によってはオンでもいいかも。
      • カメラ:オン
        • 勝手になんか撮って楽しんでるようです。
        • 以降の設定をすれば撮った写真を勝手に共有できなくなります。
      • FaceTime:オフ
        • いずれ子供用のiCloudアカウントを取得したらオンにしてもいいかも。
      • iTunes、インストール:オン
        • どのみち購入/インストール時には(無料のものでも)パスワードが必要なのでオンで良しとする。
        • もしストア自体を一切見せたくない場合はオフにすればよい。
    • 「コンテンツの許可」セクションの設定
      • ムービーとAppは年齢に応じた制限が可能なので適宜。
      • App内での購入:オン
        • やはり購入時にパスワードが必要なのでオンで良しとする。
      • Webサイト(iOS7以降)
        • オンにするといわゆるフィルタリングができる待望の機能だが、急ぐ人のために結論だけ先に書く。現段階では本フィルタリングに頼らずサードパーティのアプリやソリューションを使うべきだと考えている。このiOS標準のフィルタリングの最大の欠点は、デフォルトでの制限はやたら厳しいくせに、いざサイトを「許可する」となったらドメインごとまるっと許可してしまうこと(f○2とかライ○ドアとかまるっと許可しちゃうとマズいドメインがいっぱい有りますよね!)。もうひとつ、年齢に応じた段階的なフィルタリングレベルも選べない。
        • したがってうちではSafariも本フィルタリングもオフにして、Webアクセスの制限については後述のヤフー!あんしんネットを使用している。
        • ほかにもプロバイダやキャリアのフィルタリングサービスも検討の余地があるだろう(オススメがあったら教えて下さい)。
        • (以下はiOS7追記当初のファーストインプレッション。本機能制限について少しくわしく知りたい方はどうぞ)iOS7からようやく、もっとも大事といっても過言ではないWebサイトの許可設定ができるようになった。「アダルトコンテンツを制限」するか「指定したWebサイトのみ許可」するかを選べる。制限されたサイトにアクセスしようとするとアクセスできない旨が表示される。その画面の「Webサイトを許可」をおすと機能制限の4桁のパスコードを求められた上で許可することも可能。
          後述の「ヤフー!あんしんネット」は、小中高それぞれに制限があるのでより便利なのだが、こっちのOS標準機能の最大のメリットは、どのブラウザでも制限できることで、試した限りでSafariChromeFacebookのアプリ内ブラウザで制限が機能した。さすがはOS標準機能。おそらく他のアプリでも同様。「アダルトコンテンツ」はエロだけでなくグロも含まれるようでその点も安心。
          また面白いのはGoogleやYahooでアダルト系のキーワードが含まれていると、検索結果自体が表示されない。GoogleやYahoo自体はもちろん利用可能だが「アダルトコンテンツ」に関連すると思われる検索はできないということだ。未確認ではあるが、iOS標準の検索サイト(Google、Yahoo、bing)ではこの機能が働くのではないか?
          ・・・で、使用感。機能評価のために私自身のiPhoneで半月ほど使ってみたところ、かなり制限が厳しい。恐らくホワイトリスト方式で、そのリストもかなり真っ白なんだろう。個人ブログなどはもれなくアウト。ヤフー!あんしんネットの小学生モードと同じくらいかな?まあ、小学生の親としてはこのくらいじゃないと困るのだが、中学、高校と進むにつれて「面倒くさい→もうフィルタリング解除しちゃえ!」となりそうで怖い。
          例えばWeb制作やアプリ開発関連の調べ物でググるとほぼ見れない。
          また逆に、ヤフー!あんしんネットの少なくとも小学生モードでは禁止されているまとめサイト系はアクセスできるものもあった。ただまとめサイトでもエログロ系はきちんと禁止されている感じなので、これはそこまで心配しなくてもいいかもしれない。
          もうひとつ。たとえば d.hatena.ne.jp を許可すると、d.hatena.ne.jp 配下のすべてのページが許可される。私のブログを見たくて許可したら、すべてのはてなダイアリーを許可することになると思われる。はてなならともかく、ライブ○アブログとかfc○ブログなどがこれでは少々(というか、かなり)困る。この辺、ヤフー!あんしんネットでは、許可範囲は許可したURLの階層以下なので非常に実用的。
        • そんなわけで前述の結論に至る。
      • パスワードを要求:即時
        • 「15分」にするとその15分間で購入しまくることが可能になってしまうので一応。
    • 「プライバシー」セクションの設定
      • すべて「変更を許可しない」に設定。
      • これによりアプリがプライバシー情報(位置情報、連絡先、写真、etc.)を利用することを防げる。
      • アプリごと個別にオンオフの設定も可能。つまり「マップと天気アプリのみ位置情報の利用を許可する」みたいなコントロールができる。そして「変更を許可しない」にしているので、子供は設定を勝手に変更できない。
    • 「変更の許可」セクションの設定
      • アカウント:変更を許可しない
        • 新たにアカウントを追加できなくなる。
        • ちなみに現在のところは私のiCloudアカウントだけを設定中。
        • 設定の際は、この項目は最後に設定することをおすすめする。iCloudの設定など後述の設定まで変更できなくなっては意味がないので・・・
  • 設定 > iCloud
    • 前述のとおり私のiCloudアカウントを設定。
    • ただし「フォトストリーム」と「iPhoneを探す」と「iCloudバックアップ」以外のすべてをオフに。
    • 繰り返すが、親のメール、連絡先、カレンダー、メモなどにアクセスし放題となるので上記以外は必ずオフに
    • というか今すぐ子供用アカウント設定してもなんら問題ないが面倒臭くてやってない。
  • 設定 > メッセージ
    • iMessage:オフ
    • MMSメッセージ:オフ(SIMなしの現状では関係ない項目だが)
    • 中学生くらいでオンにすることになるのかも
  • 設定 > FaceTime:オフ
  • 設定 > iTunes Store/App Store
    • Apple IDには私のアカウントを設定。これもいずれは別アカウントを設定する日がくると思われる。
    • 別アカウントにすると、子供に「毎月◯◯円の利用枠をプレゼント(iTunesアローアンス)」みたいなことができるらしい。
    • 自動ダウンロードはミュージックもAppも共にオフ。まあAppさえオフならミュージックはオンでもよいのかも。
  • 設定 > 写真とカメラ
    • 自分のフォトストリーム:オン
      • 現状私のiCloudアカウントを設定してるので、結果として親子で同じフォトストリームを見ることになる。
    • 共有フォトストリーム:オフ
      • こちらはオフにしておかないと勝手に外部へ写真を公開できてしまうので注意。
  • 設定 > Twitter
    • アカウント設定されてないことを確認。これもいずれ(ry
  • 設定 > Facebook
    • 同上
  • 「ヤフー!あんしんネット」アプリのインストール
    • Safariの代替となるブラウザアプリ。→ iOS7からOS標準のWeb閲覧の制限(フィルタリング)ができるようになったが、前述のとおり機能に不満があるので本アプリの使用を継続する。iOS6以前の機種でも使用可能。
    • フィルタリング機能によって不適切なページを閲覧できなくなる。
    • フィルタリング設定は小学生、中学生、高校生向けなどが用意されているので徐々に制限をゆるくできる。前述のiOS7の標準機能にはない便利機能。
    • 閲覧できないサイトでも、親に「アクセス許可のおねがい」ができる。
    • 閲覧履歴削除が「できる」という特徴(?)がある。
    • iPhone版とiPad版があるが、iPad版を初代iPadで使用したところ、実用に耐えないレベルで非常に動作が重かった。初代iPadはハードウェアもOSも古いため(iOS6以降はインストールできない)どちらかに原因があるのかは分からない。
  • 「ヤフー!きっず」アプリというのもあるが、こちらはどうか?
    • これもブラウザアプリ。よりシンプルで、より低年齢向け(・・・と思っていたのだが)。
    • 小学生向けには上の「あんしんネット」よりもこちらの方がシンプルでよいかと思い、試しに使ってみたのだが・・・なんとリンクを辿ることで、2ちゃんだろうがエロバナー満載のアフィブログだろうがもりもりアクセスできてしまったので却下。
    • 閲覧履歴削除が「できない」という特徴(?)がある。
  • 他のアプリは?
    • 今のところ特にインストールしてないが、親子で決めたルール内でゲームなどやる分にはいいと思う(というか今でも親のiPhoneでゲームもネットもしてるし)。→その後、いろいろゲームをインストールしてる。

今後どうするか?

  • とりあえず小学4年生ということで、最初はガチガチに制限してみた。
  • 今後、上に書いたようにまずはゲーム、次にTwitterやらFacebookやらを許可する流れになると思われる。

5年生になったよ。LINEと電話を使用開始。

  • 冒頭に書いたようにLINEをはじめた。友達がやってるとかでアプリインストールをおねだりされたときは「ついに来たか」という感じであった。
  • Twitterのように意図せず無制限にプライバシーを拡散することはないので一応許可。以来、数人の友達とやりとりしているようである。
  • 人の悪口は書くなとか、チ○コの写真は撮るなとか一般的な注意をした。まだ局部ネタで喜んじゃう年頃なのでフランクに話せたが、その分ちゃんと伝わっているかは甚だ疑問。
  • 一連のTwitter炎上事件の話もせっかくなので少ししてみた。悪口にしても悪事やいたずらの類にしても、ネットに限らない一般常識レベルの話ではある。しかしやらかしたときのリスクは子どもの(大人も?)想像力をはるかに超えた事態となるのがネットの怖いところで、これは最初だけでなく、折にふれて都度話していくことだと思っている。
  • LINEのアプリ内ブラウザはURL入力や検索はできないのでまあヨシとした。実際にはリンクをたどって運良くGoogleとかに辿り着いてしまえば(iOS標準のWeb制限をかけていない限り)あらゆるサイトにフリーアクセスとなってしまうので気にする方はご注意を。
  • 習い事の関係で電話機能を使用できるようにした。ただし「設定>モバイルデータ通信」をオフにしてあるので外出先では電話以外の通信は出来ない。

感想文 〜 子供とメディアの接し方について

  • 一切メディアに触れないよう親が制限した状態を100、親がまったく関与しない状態を0とするならば、親の役割は、これを幼児期から高校生くらいまでの十数年かけて上手に100から0へと導くことだと思う。
  • 親のコントロールなんて不要だという意見もたまに耳にするが、テレビ・雑誌などのレガシーメディアならともかく、ネットではちょっと怖い。希釈されていないエロ、グロ、犯罪に関する情報に小中学生が簡単にアクセスできて良いわけがない。
  • 子育てに関する私の好きな言葉のひとつに「子供が出来たら胸を離すな(乳児期) 胸を離したら手を離すな(幼児期) 手を離したら目を離すな(少年期) 目を離したら心を離すな(思春期〜)」というのがあるが、子供とメディアの接し方もまさにこれと同じで、年齢相応に親離れ子離れの段階を踏めるよう、そこは親が考えるところだ。
  • 100から急に50や0にしてはいけないだろうし、逆にハタチでまだ20とかでも困りもの。
  • ちなみにいつ0にするかは個人差もあるだろうしまだ決めてないが、ともかく、いろいろな知恵がついてくるとくに10歳以降は、ノーガードのiPhoneを与える危険性をちゃんと認識しないといかんなと思った。

関連エントリ

イラレの文字組みアキ量設定を変更すると発生する「ドロップシャドウ効果の謎のズレ」の解消方法

最新情報

この記事はCS4とCS6について書いた記事だが、イラレCCでも問題解消していないことを確認済み。



本文ここから

イラレで文字を組むときにネックとなっていたのが、段落パレットの「文字組み」で使用する文字組み設定を、「書式>文字組みアキ量設定」で値をいじると、効果でつけたドロップシャドウがズレてしまうことだった。

ちょっと何言ってるかわからない感じの文章になってしまったが、つまりはこんな感じだ。下の図を見てもらうと一目瞭然。行末へいくにしたがい、ドロップシャドウのズレがどんどん大きくなっている(水色が本来の文字、黒がドロップシャドウ)。はじめに気づいたのはCS4だが、CS6でも発生する。

これ、よく見ると、本来の文字は設定したとおりのアキ量が適用されているのだが、ドロップシャドウの方は変更前のアキ量のまま。その差がズレとして出ているということのようだ。

イラレの文字組みアキ量設定を変更すると発生する、ドロップシャドウの謎のズレ


ズレない場合もあるが…

この現象は標準で用意されている文字組み設定では発生しない。だったらそれを使えばいいじゃないかというと、標準の文字組み設定は色々とアレなので、そうもいかない。すると文字組み設定は使用せず手で詰めるか(もともとWebで長文の本文組などはほぼないのでなんとかなる)、使うならばドロップシャドウと関係ないところで・・・という、微妙な不便を強いられることになるわけだ。

これで解消!

で、最近になってようやくコイツの対処法を発見した。方法は簡単。

  1. まずは普通に「書式>文字組みアキ量設定」から自分の好みの設定を作成(この段階でドロップシャドウのズレが発生!ためしにどこかのテキストに適用してみると分かる)なおこの設定は後々捨てるので名前は適当でよい。
  2. 同設定ダイアログ下部の「新規...」クリック。名前は本気出して考えてください。さらに「元とするセット」には、1で作成した設定を選択。つまりは1の設定を複製する。
  3. いっさいアキ量設定をいじらずに(ここ重要!)、ダイアログを閉じる。あ、閉じる前に1で作成した設定は削除してOK。
  4. どっかのテキストに適用してドロップシャドウをかけてみると、あら不思議!影がずれない!

どうやらドロップシャドウのアキは、「直前の変更のみ反映されない」ようなのだ。それが設定を複製することで、「直前の変更」もなにも無くなるのだろうか? ドロップシャドウにもめでたく最新のアキ量設定が適用されるという塩梅だ。

理屈はともかく、数年来ノドにささってとれなかった小骨がついにとれた感じだ。あーうれしい!しかしググってもまったく情報が出てこない本件。みんなあんまり気にならないのかな?

2012年9月20日の追記:別の解決策

文字組について調べていると必ずといっていいほどお世話になる「なんでやねんDTP」の大石さん(id:works014)より、コメント欄にて別の解決策を教えていただいた。方法は簡単で「ズレた状態で書類を一度保存して閉じ、再度開く」というもの。なるほど!ありがとうございます!

→さらに追記:コメント欄にもあるが、その後さらに大石さんの方で検証されたところ、この方法は「保存後ズレが解消されたモノは文字組みアキ量設定通りではない……変更前の設定を引きずっている」ということだった。私もCS6で確認したところ、その通りだった。作成した文字組みアキ量設定を複製する、という本文記載での解決策は有効なので、当面はこの方法でしのいでいきたい。

どうやら、文字組設定を「あらためて読み込む」たぐいの操作をすると、ドロップシャドウにも新しい設定が反映される、ということのようだ。

イラレCS6アップデートでリンクファイルの扱いがようやくマトモになったことに関するメモ

イラレCS6のアップデートが来ていた(バージョンナンバーは16.1.0)。
そして、よ・う・や・く、リンクファイルの扱いがまともになった。
ちなみにこのアップデートの対象はCreative Cloudユーザ限定らしい。同じCS6でも、Creative Cloudユーザとパッケージ買いの人とで仕様が異なるという、予想外の展開。Creative Cloudを売りたい気持ちは分からなくもないが・・・というより、その気持ちが前面に出過ぎていて、これはかなり反発を買うのではないだろうか。
ともあれ、内容はかなり嬉しいものなので、試してみた範囲で紹介する。

リンクファイルの収集ができるようになった

これまで色んな場所の色んなファイルをリンクで配置しまくった結果、どのファイルがどこにあるのか分からなくなり、aiファイルを別マシンにコピーする際や環境移行したい際に訳がわからなくなってしまっていたわけだが(私だけ?)、そしてもう面倒くさくなり、苦し紛れに「リンクファイルを埋め込み」で保存し、aiファイルが数百MBとか数GBになって大変な思いをしていたわけだが(私だけ?)、そういうお悩みともついにおさらばできる時が来た。
リンクファイルの収集は、「パッケージ」という機能で実装されており、ファイルメニューより「パッケージ...」を選ぶとダイアログが出るので、あとは適当に設定するだけだ。パッケージングのスピードも早い。

パッケージの中身は?

パッケージといっても単なるフォルダなのでわかりやすい。上でユーザが指定したフォルダの中に、aiファイル、「Links」フォルダ、「Fonts」フォルダができる(そう、フォントファイルもコピーしてくれる)。Linksの中には、すべてのリンクファイルが格納される。Fontsにはaiの中で使用しているフォントファイルが格納されるが、他者に受け渡す場合などはフォントライセンスに留意する必要がある(という注意喚起のダイアログもいちおう出る)。ちなみにパッケージングで集めてくれるフォントは「欧文フォントのみ」とあったが、小塚ファミリーは書きだされているようだった。まあ自社フォントだしCS買った人には自動でバンドルされてるし別にいいか、という判断なのか?

「Links」フォルダはパッケージング以外でも使える!

パッケージ機能というと、なんだか他人に受け渡す場合以外には用途が無さそうだが、実は今回のアップデートで最大のポイント(だと勝手に思ってること)は、パッケージ機能に関係なく、Linksフォルダにリンクファイルを格納できるという仕様。
aiと同じ階層に「Links」というフォルダを作って、そこにリンクファイルを放り込んでおけば、イラレ側で勝手に認識して配置してくれるのだ。これはパッケージ機能で書き出したaiファイルじゃなくても有効だ。この仕様変更のおかげで、aiと同階層のフォルダに、大量のリンクファイルが散乱してしまうことがなくなる。今まで私はこのような惨状を目にするのを避けるため、例えば「デザイン」フォルダにaiもリンクファイルもすべて突っ込んだしかるのち、aiのエイリアスをわかりやすい場所に置くことで、臭いものに蓋をしてたわけだが、その必要もなくなりそうだ。

「Links」フォルダと同じ階層、どちらを見に行くのか?

同じリンクファイルが「Links」と「aiと同じ階層」にある場合は、まず「aiと同じ階層」を探し、なければ「Links」の中を探すようだ。これは保存時の状態に限らず常にこの順番で、たとえばリンクファイルがすべてLinksにある状態で保存したaiを閉じ、リンクファイルを今度はすべてaiと同階層にコピーし、再度aiを開いてみると、aiは同階層のリンクファイルを参照する。

この仕様はちょっと注意が必要で、たとえばLinksの「背景.psd」を配置している状態で、同じ名前で内容が異なる「背景.psd」を、aiと同階層においてしまうと、結果としてリンクファイルが入れ替わってしまう。しかもこのとき、aiは「編集済み」状態とはならない(これまでのイラレではリンクファイルの参照先が置き換わると、aiを開いた瞬間に「編集済み」となり、リンクファイルが置き換わったことを把握できた。例えば他階層に散逸したリンクファイルを同階層にまとめた場合など)。

「Links」フォルダの階層化はムリ

ここで少し期待してしまったのは、Linksの中にさらにフォルダ分けしてリンクファイルを格納できるかという点だが、これは残念ながら認識してくれなかった。


ファイルの配置に関する新機能はまだある(というか今回のアプデはファイル配置に関するものだけ?)。

画像の埋め込み解除ができるようになった

これまでは、一度ファイルを埋め込んでしまうと、再度リンクファイル化できず、埋め込みには相応の勇気と思い切りを必要としたが、新しいバージョンでは「埋め込みの解除」が可能になった。埋め込み済みの画像を、psdかtiff形式でリンクファイル化できる。
操作はリンクパレットで1ファイルずつ行う必要があるのであまり大量のファイルだと面倒くさいことには変わりないが、それでも嬉しい機能。できればリンクパレットで画像を複数選択し、すべてを一括でリンクファイル化しLinksフォルダに放り込んでくれるような機能も欲しかった。ファイル名は適当でいいから。

まとめ

その他リンクパレットで画像をダブルクリックせずとも下の領域にリンクファイル情報を出してくれるようになるなど、今回のアップデートは細かいけれども作業効率を大幅にアップしてくれる内容で、満足度が高い。派手な機能追加よりも、こういうアップデートのほうがどれほどありがたいことか(それだけに、CreativeCloudユーザのみというのはやはりどうかと思う)。

こんな機能改善をして欲しい

今回のAdobeのアップデートはちょっとヤル気を感じたので、ついでに要望を上げておく。この勢いでよろしくお願いいたします。

仕様改善系
  • アートボードの整列がしたい。
  • 標準で各種整列にショートカットがない件(現在は自前で整列アクションを作成してショートカットを割り当てるしかない)。
  • カラーパネルはRGB書類ならRGBスライダーがデフォだが、HSBやグレースケールスライダーにショートカット等でさっと切り替えたい。
  • フォントサイズのように線幅も、例えば cmd + opt + カンマ/ピリオド などのショートカットで狭く/広くしたい。
  • 重いファイルをリンクしてるとき、通常は画質を落とした状態で作業したい。最終出力するときだけちゃんとしてればOK。epsはそういうことができるが、psdやjpg、pngでもそうしたい。
  • わざわざ「Web用に保存...」しなくても、選択したスライスだけを右クリックやショートカット等で書き出せる機能。Web用に保存ダイアログは書き出し後の画質とファイルサイズのバランスを見るのに便利な機能だが、昔のようにシビアなファイルサイズ管理は必要なくなったし、経験を積んでくると、わざわざ書き出し結果を目で確認するまでもなく「jpg画質80」一択とか「GIF256」でいいだろーみたいなケースがたくさんある。それに多数のスライスのうち、修正が入った1つのスライスのためだけに、あの重いダイアログを開くのは苦痛です → 2012年10月30日追記:これは「ファイル>選択したスライスを保存...」よりできた。ただし画像形式と設定は選べないため、一度は「Web用に保存」で個々のスライスに対する書き出し設定を行う必要がある。→ 2015年9月15日追記の追記:フォトショのGenerator書き出し機能、あれをイラレでもお願いします!レイヤーパレットで名前を「hoge.png32」とかにすると「そのオブジェクトだけ」「勝手に」「png32で」書き出してくれる機能。あれすごい。イラレでいちいちスライス切って書き出してるとなんか俺時代遅れだなって思って悲しくなるんだよね・・・。
  • フォント選択はインクリメンタルサーチがいい。ショートカットで文字バレットのフォント選択(これは今でもできるが、デフォで左手だけで可能なキーアサインを!)からのインクリメンタルサーチ。日本語フォントでも欧文フォントネームを持ってるので出来るはず。その際は前方一致のみではなく部分一致で。前方一致のみだとモリサワは「A-OTF」、イワタは「Iwata(またはI-OTF)」、フォントワークスは「FOT」ばかりでインクリメンタルな意味がなく、あんまり嬉しくない。さらに「Shin Go(新ゴ)」は「shingo」で認識するように(要はスペースは無視)、そしてウェイト指定まで出来ないと作業効率はアップしないので、たとえば「hel bo」と打てば「Helvetica Bold」やら「Helvetica Bold Condensed」やら「Helvetica Neue Bold」が、「hira 8」ならヒラギノ各書体のW8がバババッとリストアップ→タブもしくはCtrl+Nで選択・・・・と、このようになってくれると、Adobeにもう一度忠誠を誓いたい気持ちになる可能性が出てくる恐れがあるかもしれないに違いない。ていうかここまでしてくれたら本当にかなりなる! → 2015年9月15日追記:追記が遅くなったがCCからこれは出来るようになった。しかもAdobeの開発者がここを見てくれているのだろうかと思うほどの、ほぼ完璧な実装で!! ただし環境設定で「フォント名を英語表記」にする必要がある。人によっては残念ポイントかもしれないが俺はいいよ、別に。ありがとう、Adobe
バグ系

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